踊る猫

ミネハハ 秘密の森の少女たちの踊る猫のレビュー・感想・評価

2.8
『エコール』と『ピクニック at ハンギング・ロック』と『ブラック・スワン』を足して三で割ったような作品。少女たちというより発育を遂げた女の子たちの閉ざされた楽園が描かれており、同性愛的な関係を盛り込みつつ女の子たちの美しさが巧みに描かれていると思う。ただ、この映画は女の子たちが学校と庭しか知らないという閉塞感や、それ故に募る外への憧れを巧く描いているとは言い難い。むしろ濃密な同性愛的関係を描いており、その意味では『ブラック・スワン』に通じるものを感じる……のはバレエが中心に据えられて語られているせいもあるのだろう。『エコール』ほど謎めいたところがない分、やや退屈に感じられた。逆に言えば『エコール』が描かなかった「男」を真正面から描いており、それはそれで誠実なのかもしれない。
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