てつこてつ

カンウォンドの恋のてつこてつのレビュー・感想・評価

カンウォンドの恋(1998年製作の映画)
3.5
ホン・サンス監督の長編2作目とは、思った以上に昔の作品なんだな。
初期作品ならではの、ストーリー性がそれなりにある内容で、登場キャラクターたちの台詞が実にリアルで生き生きとしている。

ストーリーの中盤までは女子大生が主人公、途中から、彼女とは全く関係性がない大学講師に主人公が入れ替わる視点も面白い。

共通項は、タイトルにもある江原道が舞台となっていることだけ。昨今のキム・ミニをヒロインに迎えた作品群でも江原道を度々舞台にしているが、監督の故郷なのか、よほど思い入れがあるのかな?

実際、観光映画と言っても過言でないほど、カンヌン(江陵)の海水浴場、江原道の雪岳山、真夏の濃い緑に覆われた山道や清涼な川や滝といった画に映えるロケ地が続々と登場するし、とにかく登場人物たちは、やたらと刺身(+お店のサービスのホヤ!)を食う。

登場人物たちの衣装を見ればなるほどとは思うが、テーマ自体は90年代の古さは全く感じられない。ただ、邦題にあるような“恋”は、この作品では描かれていないな。

ホン・サンス監督は、やはり、自分の肌に合う。
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