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ゴースト・オブ・ミシシッピーのHKのレビュー・感想・評価

3.6
幽霊が出るホラーではありません。
映画は、直前に観た『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』と同じく、1960年代の米ミシシッピー州の大都市ジャクソンから始まりますが、ジャケ写のとおりずいぶんとトーンが違います。

日本劇場未公開、スタンダード・サイズなのでTV映画かとも思いましたが劇場用のようです。
監督は『スタンド・バイ・ミー』『ア・フュー・グッドメン』のロブ・ライナー。

1963年に起こった黒人の公民権運動家銃殺事件の犯人が30年後にようやく裁かれた実話を映画化した作品。
タイトルにある"ミシシッピ"とジャケ写でおおよそ察しはつく内容ですが、それでも飽きさせず手堅く要所は押さえてあります。

主人公の検察官に、まだ悪役顔じゃない頃のアレック・ボールドウィン(当時38歳)。
被害者の妻に予想より出番の少ないシリアス演技のウーピー・ゴールドバーグ(当時41歳)。
嫌らしい白人至上主義者の犯人を演じるのがジェームズ・ウッズ(当時49歳)。
ウッズは冒頭のシーン以外は全て70歳くらいの老けメイク。徹底的に憎々しい戯画的な悪役演技でアカデミー助演男優賞にノミネートされています。

主人公が劇中で観に行く映画は同じく法廷劇の『推定無罪』で、大きな看板やポスターの他、ハリソン・フォードとラウル・ジュリアの2ショット・シーンも映り込みます。
そういえばTVで『第三の男』を観ているシーンもあり(オーソン・ウェルズ映ってます)。
何か意味でもあるのかと疑いましたが、私の頭では関連性には思い至らず。
単に監督の趣味なんでしょうか。
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