イチロヲ

不思議惑星キン・ザ・ザのイチロヲのレビュー・感想・評価

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
4.0
初対面同士の2人組の男が、自称異星人のもつテレポート装置によって、砂漠の惑星に転送されてしまう。ソ連時代に製作されたカルト的人気のディストピア映画。監督・脚本を務めている人物は、グルジア共和国出身者。

私の大好きな「シュールな奇想」が全編に炸裂しているナンセンス・コメディ。

「クー、キュー、カツェ、チャトル」などといった惑星の言葉が自然と交わされながら、異文化圏における風習の違いから生じるカルチャー・ギャップ・ネタが淡々と進行していく。予想の斜め上をいく、突拍子のない展開の連続性がすごく面白い。

本編のパッツ人とチャトル人の関係性を、現実世界のグルジア人とロシア人に置き換えて考えることができるけれど、それは物語を構成するための、ほんの一要素に過ぎないとも感ぜられる。

主人公の2人組は、惑星の人々の貪欲さと物に執着する物質社会に飲み込まれて、地球に帰還するチャンスをことごとく逃していく。まるで「人間社会ってこんなものだよねー」というふうに、社会を俯瞰して眺めているような感覚が強い。

ラストに登場する、ある台詞の内容が本質部分ではないかと思う。