ユウサク

不思議惑星キン・ザ・ザのユウサクのレビュー・感想・評価

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
3.9
映画だからこそ出来るボタンを押した瞬間の移動に心を掴まれ、言葉の通じない「未開の人間」と思ってたら「言語野の理解には時間がかかる」といきなりロシア語で詰められ出すシーンでギャグセンスを信頼し、後半に行くに連れ風刺が笑えなくなってくるバランスに拍手。映画におけるギャグとはとにかく「間」なのでトロッコを進めるためのスイッチを入れるカット一つとっても笑えるこの映画は非常に高水準。2章に入る前の雪景色の中のシーンはエンディング後のやり取りということなのかな……?何故時間まで戻っているのかとここだけよくわからなかった。〆自体は馬鹿らしくかつエモくてとても良いけれども。

ただどうしてもジョージア出身のゲデヴァンの扱いが常にヘマをする・手癖の悪い人物として描かれているのが引っかかる。人種差別を否定しつつ作中唯一のジョージア人をこういう人物として描くのは矛盾してないだろうか。若さの演出としても少々行き過ぎな気がする。
しかしこの映画自体は当時のグルジアで製作されたらしく自らの人種だけ卑しく描くのはなんでだろう。検閲をクリアするために必要なバランスだったとか?
ユウサク

ユウサク