不思議惑星キン・ザ・ザ、超絶大傑作。旧ソ連で大ヒットした脱力系SF、ちょっとルックで舐めてました。ハンパなく面白い。きびしい身分制度や腐敗した役人、ゆるゆる世界観の中には鋭い体制批判。そして最後には国の垣根を超え、いや、宇宙を超えた友情と絆。ほろりと泣かせてくる。最高!!
小汚いおっさんがアホみたいに「クー!」とか言ってるだけじゃないんですね。最初反発してたのにいつのまにか順応してるおじさんとバイオリニストも面白い。騙されまくっても裏切らず、くじけない。実は勇敢で力強いおじさん。のんきな宇宙人たちもだんだん好きになってくる。
そのまんまやったらどぎつくなってしまう差別や階級の設定を、ゆるーいおじさんと荒涼とした砂漠の上に描くことで、楽しませつつも現実世界の罪について考えさせ、しかも人間を信じる希望を与えてくれるという。本当にすばらしい。ズートピアでも思ったけど、これこそ映画の力だと思う。