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天使の入江のnagashingのレビュー・感想・評価

天使の入江(1963年製作の映画)
3.5
ジャンヌ・モロー、ファム・ファタール的妖艶さよりもギャンブル依存のダメ人間っぷりが極まっておりかなり笑える。いくらなんでも強気すぎる賭けかたもヤバいし、息をはくようにつく嘘の無意味さもヤバいし、ギャンブルを正当化する屁理屈の洗練度合いもヤバい。ルグランのしゃれたスコアが「勝率100%のテーマ」と化してしまうのもなんか滑稽。上げて落とす展開の振れ幅の大きさも楽しい。オープニングの超トラックバック、ふたりが出会うシーンのなめショット、鏡の反射の多用などいちいち決まっているが、エンディングは親父に送金してもらった全額をつっこんで駅の待合室にふたりで寝る以外にありえないのでは? バーのスロットのごっついレバーとモローの細腕の対照性が妙に印象に残っている。
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