ちろる

天使の入江のちろるのレビュー・感想・評価

天使の入江(1963年製作の映画)
3.6
ジャンヌモローの退廃的な美しさが、ギャンブル狂の女にぴったりだけど、ルーレットを玉をひたすら追い続ける彼女に惹かれてしまうジャンの気持ちは私には到底理解できない。
たった数日の間で金持ちの気分も貧乏な気分も一気に味わえるスリルとその高揚感は、もしかすると恋するのと似ているのかもしれない。
賭け事にはブレーキは効く脳を持っても愛にはブレーキはきかなくて、ルーレットの魅惑の世界に取り込まれ瞬間を悲しんだり喜んだりする女から目が離せないジャン。
大金手にしてセレブごっこしたり、逆にお金すっからかんすぎて険悪になったり色々忙しい2人の関係のズルズル感は見ていて辛いものがあったけど、それより何よりこの頃のジャンヌ モローと、ジャン役のクロード マンがかなり年の差カップルに見えてしまうほうが気になってしまった。

ルーレット場から飛び出して光の中に消えてく2人に明るい未来があるかどうかは分からないけれど、
モノクロでも美しさが十分に分かる、うっとりするようなニースの照りつける太陽やまばゆいばかりの白い砂浜にサングラスかけて歩く2人はお景色にすっぽりはまった映像はおしゃれ極まり無い作品でした。
ちろる

ちろる