はま

密告・者のはまのレビュー・感想・評価

密告・者(2010年製作の映画)
3.4
昨日に引き続き「ニコラス・ツェー×ニック・チョン×監督ダンテ・ラム」のトリオで送る香港ノワール。

昨日の『ビースト・ストーカー』で受けた衝撃から、今回もある程度の暗さと重さを覚悟していましたが、後味の苦々しさはそれを上回った……。

特定の人物を「密告者」として雇い、組織に潜入させるという方法で捜査を行なっている警察のお話。
ニコラス・ツェーはその「密告者」として雇われる側で、もちろん主人公。
…ですが、今回もまたまた強烈な印象を残していったのは雇う側の刑事、ニック・チョン。

ストーリー的にも映画的にも、盛り上がるのは「密告者」側の潜入のはずだけど、この映画で時間を割いて描かれているのは、刑事の葛藤。

そして、それがあまりにも苦しくて…。
昨日はあんなに恐ろしいと感じたニック・チョンさんが、今日はこんなにも哀愁まみれ。
彼の感情が露わになるシーンはいつだって衝撃の局面で、「もうやめたげて…」って悲しかったです…。

もちろん「密告者」側も存分に描かれているので(潜入する立場の"ハラハラ感"もあります!)、言うなればダブル主人公。
この映画もまた登場人物が複雑に絡み合う展開だったけど、無駄なところがどこにもない110分でした。

アクション映画と呼ぶには動きが少なかったですが、それなりに大きなカーアクションのシーンがあって、今思うとあの瞬間だけは純粋にワクワクで楽しんでたなぁ…と思いました(笑)
だってツェーが青ラインのGT-Rに乗ってるんですよー!ワイスピじゃん!←


こういう映画は続けて観るもんじゃないなぁと思いましたが(笑)、カンフー映画漬けの毎日に時々刺激を。
香港映画はこの手のジャンルの発展もめざましいので、また秀作に出会える気配。
はま

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