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マルコヴィッチの穴のkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)
3.3
「マルコヴィッチの脳に15分入れる穴」を発見した人形師が妻と不倫相手、そしてマルコヴィッチと巻き起こすブラック×シュール×不条理に部類されるコメディドラマ。自分的にはホラー×恋愛が軸の人間ドラマに見えたけど🤔第一に「発想が大勝利」している不思議で訳が分からない「世にも奇妙な物語」。(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

インパクトあるジャケットが不可解すぎて気になるものの、なんだか難しそうな作品に思えて鑑賞を躊躇していた作品。「穴に入るとマルコヴィッチの脳に15分入り込むことができる」という発想そのものが凄い。もはや何が何だか分からない。ラストまで展開の予測ができず、「穴に入る」こと自体はまるで実験をみているような感じ。

人形師のクレイグは世間に認められず生活苦になり仕方なく会社に就職するが、その社内で奇妙な穴を発見する。実はその穴は「俳優マルコヴィッチの頭に15分だけは入ることができる」という摩訶不思議な穴だった。クレイグは浮気相手(ただし片思い)とその穴でビジネスを始めるが、クレイグの妻がこの穴に入ったことをきっかけにクレイグの浮気相手に恋をしたため、そこからマルコヴィッチを介した奇妙かつ泥沼な三角関係が始まり…というお話。

世にも奇妙な物語であり、非常に気味が悪い話。出てくる登場人物たちのモラルが著しく低くて鑑賞している間ずっと「げんなり」としてしまったので、「発想の大勝利」である映画としては楽しめたが、気分が良いかと悪いかと言われればあまり良くない作品だった。

脳を乗っ取られる側が承知であればなかなか面白いビジネスだと思ったが、本人に全く許可なく、また本人に知られて拒絶されても続投し、ビジネスや愛に縋りつく様には素直にひくし、笑えない方向で滑稽。いやぁ、ひどい。人間の「変身願望」がキーとなっている物語だと思うが、「刹那的な他人への変身」への意味を見出すのが私には難しい。ただ、このビジネスには長蛇の列ができているし、経験者は中毒のように繰り返しているし、みんなくすぶっているなぁ、と思った。

🐝「というか、これってホラー映画じゃないの?え?そうなの??」

キャラクターたちの行動も、マルコヴィッチの穴の「謎」についてもホラー要素を一番強く感じたけど、そういうジャンルってわけではないらしい。私自身は事前情報がなければストーリー展開とキャラクター設定に卒のないホラー+ドロドロ恋愛ドラマだと捉えたと思うのだが、コメディだそうなので、ブラック×シュール×不条理に部類されるコメディドラマなのかな。

そうなってくると、話が進むにつれて何が何だか分からなくなっていく感じもあるし、もしかしたら変身願望やら性開放やら愛やらをどうこうというよりは、それらを「無」に返すような、もはや「ナンセンス」タイプの作品なのかもしれない🤔

自分でも何言ってんのか分からなくなってきた…とにかく、混乱してしまう映画でした(笑)