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マルコヴィッチの穴の10000lyfhのレビュー・感想・評価

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)
4.0
俳優マルコヴィッチの脳に直結し、そこに入ると 15分間、マルコヴィッチであることを体験できる穴を発見した人形使いの男性、ビジネスパートナーで片思い相手のマニピュラティヴな女性、男性のペットマニアの妻、男性の雇用主、マルコヴィッチ本人らが織りなすコミカルでシュールなドラマ。人格を乗っ取る側の「一時的に特定の有名人であることを体験したい」願望(おそらく本作の出発点となったアイディア)、乗っ取られる側の自我が失われる恐怖、グループで乗っ取りコレクティヴに 1人格のアイデンティティを形成、事故的に想定外の人物に入ってしまった牢獄状態など、「自我」や「意識」をめぐって、不思議に切ない。マルコヴィッチが自らに入った時の無限ループ的表現や、既に乗っ取られているマルコヴィッチに入った時の潜在意識の表現が、アイディアとしては平凡だが、スパイスを添える。劇伴はピアノ、弦、パーカッションのアンサンブルが主体で、いい意味で主張せず。エンドクレディットのビョークが映画の余韻そのもの
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