いざ客観視すると摩訶不思議なものに感じられる、人間の生き様。人は常に、誰かに何かに、依存していなければ、自己を確立させ表現することなどできないのだと気が付く。真っ直ぐ垂れた糸を吊ったり弛ませたりしながら、わたしは今日も目を覚まし、食事をし、仕事をこなす。いつのまにか受け入れ、当たり前と思っていたこの世界と暮らしを、そうではないのではないかと疑ってみたり踊ってみたりもする。私たちの日常の深部に棲むものの正体を知ることで、繰り返される自己啓発と自己嫌悪の日々にも、終わりはあるのだと悟る。しかし、幸せとは何だろう。
