俳優ジョン・マルコヴィッチさんの中に入る穴、天井が低すぎる7と1/2階、言語障がいをもつ受付係、家をうろつく精神を病んだチンパンジー...
登場するもの全てがとにかくおかしい。そして可笑しい。
本当に、頭が変になりそうになる(褒め言葉)。
主人公は人形師の男。
操り人形というモチーフがこの映画に深みを与えている。
この映画を通してする、人の中に忍び込み他人の人生を生きる体験、他人の体で誰かを愛する体験を通して、観客は自分の中にある哲学的な問い、ゲスな好奇心の両方を観せられる。
私の大好きな本田晃一さんは人間はiPhoneのようなものとおっしゃっていたが、リアルにそれを体験できる稀有な映像。(音の編集にこだわりを感じたので、お一人で視聴される際はぜひイヤホンをしてほしい)
チャーリー・カウフマンの常人では思いつかないような脚本と、スパイク・ジョーンズ監督の一捻りもふたひねりもある映像によって、そんじょそこらの「奇妙」が陳腐に思えるほど恐ろしく怪しい作品になっている。
そしてキャメロン・ディアスが出ていたことに観終わってから気づくという...彼女の、とんでもない「キャメロン・ディアスっぽくなさ」にもびっくり。すごい女優さんだ。
とにかく、これ以上変な映画はあまりないと思うので、知的で変態的な作品が好きな紳士淑女人妻のみなさんはぜひ優先的にご覧くださいませ。