松原慶太

光陰的故事の松原慶太のレビュー・感想・評価

光陰的故事(1982年製作の映画)
3.9
80年代「台湾ニューシネマ」と呼ばれた監督たちによる、オムニバス短編集。早逝したエドワード・ヤンの初監督作がふくまれている。

いわゆる「アーリーワークス」的な、学生映画のたぐいかと思っていたが、いい意味で予想を裏切られた。オムニバスとしては、例外的に完成度が高い部類じゃないだろうか。

ここにはたしかに、60~70年代に洋楽の洗礼を受け、戦後の邦画や、ヌーベルヴァーグ、アメリカン・ニューシネマを通過してきた世代の新しい感覚がうかがえる。

四編のなかでは、冒頭のタオ・ドゥツェン「恐竜君」と、エドワード・ヤン「希望」がとりわけすぐれていると感じたが、残りの二編、クー・イチェン「跳ねるカエル」、チャン・イー「名を名乗れ」もコミカルな個性が感じられて良い。