オトマイム

ワルシャワの柔肌(はだ)のオトマイムのレビュー・感想・評価

ワルシャワの柔肌(はだ)(1996年製作の映画)
3.5
これが初ズラウスキーだったら馬鹿馬鹿しくて中断してたかもしれない。が、幸い何本かみていたから常識で判断してはいけないのだろうと思い留まり完走できた。めでたい。

開始まもなく女がガラスに唇を押し付け目をむいてずり落ちていく場面から、あーやっぱりズラウスキーだ…となぜか背筋を伸ばしてしまった。二人の関係も教授の言動も異常で理解不能なんだけど、とりあえずこの監督だから仕方ないと、置いとく 笑。画は芸術的で綺麗で、頻出するセックスシーンも完璧に計算されておりその質感とか色彩、構図に魅入ってしまう(笑っちゃうのもあるけど)。監督の指示が細部まで行き渡っているのでしょうね。何を描きたいのかまるでわからず話は進むのだがこの異常な男女が強力な磁石みたいに惹かれあっていく理由が終盤解明され線が繋がり、一気に靄が晴れていく。すばらしい。



ちょっぴり文句
⑴イオーナ・ペトリははまり役だけどボグスワフ・リンダはどうだろう。もっと毒のある嫌らしい俳優のほうがよかったかも。『偶然』での優しい目をした彼が素敵だったのでちょっとギャップが…
⑵全編フランス語だから最初は舞台がフランスなのかと思ったが、タイトル通りポーランドが舞台だった。イオーナ・ペトリがフランス語しか話せないからだと思うけど、若干の違和感あり。
⑶やっぱり音楽が…変!