消息を絶った弟からメッセージを受け取った紳士が、父の故郷でもある片田舎の屋敷にて、魔女の脅威に晒されてしまう。ラブクラフトの短編を脚色している、オカルト・ホラー映画。ボリス・カーロフ(当時80歳、車椅子で出演)のイギリス最終作。
屋敷の主(クリストファー・リー)、魔術研究家(ボリス・カーロフ)、使用人(マイケル・ガフ)、魔女(バーバラ・スティール)という4大ホラー俳優が起用されている作品。だが、主人公とヒロインを中心に据えているため、画面内で4人が揃うことはない。
物語展開は、父の故郷を訪れた主人公が、土地の伝承と屋敷の内部を調査して、グラマー美女と懇ろになって、隠された拷問部屋を見つけて、どうのこうのというパターン。格式高い映像作りとヒロインのヌード描写に安心感が備わっている。
当時のサイケデリック・ムーブメントとクラシック・ホラーの融合が、本作の大きな醍醐味。奇抜なコスチューム・プレイ、原色の照明効果、万華鏡を取り入れたフィルター処理が、「ラリラリ系ゴシック・ホラー」ともいうべきインパクトを生んでいる。