KnightsofOdessa

オペラハットのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

オペラハット(1936年製作の映画)
3.0
No.98[えーっと、ZOZO澤社長ですか?] 60点

友達多いやつが勝利っていういつものキャプラ映画である。純朴で高潔で洗練されてない田舎者というステレオタイプが実に気持ち悪かった『スミス都へ行く』や、賑やか家族礼賛映画『我が家の楽園』など後のキャプラの"人間讃歌"映画の源流となった作品。しかし『スミス都へ行く』からは想像できないほど、主人公ディーズはしっかりしていて、しかも詩人でチューバ奏者で短気ときている。そんな田舎者が莫大な遺産を消費して行うのが貧民の救済である。恐慌で箚さくれた人々の心を癒やす映画なのだ。金持ち=鼻持ちならない、じゃあこういう金持ちが居てほしいよねよ、という貧民救済映画なのだよ。なんかZOZO澤社長の100万円ばら撒き企画やらバイトの時給賃上げみたいな話を思い出すわ。

癖を指摘されてそそくさと止めるモンタージュは可愛らしいが、ディーズが一笑い取る度に裁判官がガベルをカンカン鳴らすのが、どう見ても落語家が扇子をペチペチやるのと一緒で吹き出してしまった。
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