悪魔の毒々クチビル

マカブル 永遠の血族の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

マカブル 永遠の血族(2009年製作の映画)
3.7
シラットの魔人や気狂い一家が暮らす素敵な国、インドネシアのゴア多めなホラー映画です。

車を運転中の御一行が助けた女性に家まで案内されたが最後、お馴染み狂人一家に一人ずつ始末されていく鶴が恩を殺で返すパターンのやつ。まぁ実は困ってすらいなかったんだけど。

監督・脚本ともにキモ・スタンボエルとティモ・ジャヤント。イコ・ウワイス主演のアクション「ヘッドショット」なんかで知られているコンビですね。今作はそれよりも前の作品です。
そんな訳でゴアは充分な出来で、顔面破壊を始めとした暴力的なゴア描写はこの頃から健在でした。

一家も割とキャラ立ちしていて、何事にも動じず無駄に強い長男(?)も印象的だったけど何よりあのオカンが強烈でしたね。
ずーっと貼り付けたような鉄仮面フェイスでいてマジで不気味でした。終盤を感情を露にしてグワーッと襲い掛かって来て、最初はあの真顔をキープして欲しかったなと思っていたんですけど、強面な顔面もかなり恐ろしかったので結果オーライかなと。
チェーンソーが見た目と全く合っていなかったのも逆に怖かった。
さらっとこの一家の出自みたいなものにも触れられて詳細は何とも言えませんが、成る程今回はそっちパターンですかそうですか。

正直中盤まではそこそこなんだけど、途中で警官が地味に多くやって来てゴアカウントを補充してくれる流れは有り難かったです。

一方主人公サイドはそこまで印象に残らなかったんだけど、実質主人公とも言えるお姉さんがジュリー・エスティールなのが良かったです。
今作では最初は震え上がりながらも、必死で抵抗していきボロボロの状態で何とか戦うこれまたお馴染みのポジションですがそんなジュリーさん、「ザ・レイド GOKUDO」「ヘッドショット」と映画に出演する度、イコさんに殺される度に強くなっていき「シャドー・オブ・ナイト」でオペレーターを演じる頃にはもうこの一家を普通に一人で殲滅出来るくらいに強くなっていたのも感慨深いですね。
というかこのオペレーターでスピンオフ作品作って欲しいくらい格好良かったキャラなんですけど、ティモさんどうですかね?需要も全然あると思うの。

ベタとゴアが最低限しっかりあれば楽しめるんだなぁ、と改めて納得出来る作品でした。
と同時に「狂人一家に拉致された一行が実はシラットの達人軍団で返り討ちにあった」的な内容の作品も観てみたいなと思いました。