motoietchika

闇のバイブル 聖少女の詩のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

闇のバイブル 聖少女の詩(1969年製作の映画)
3.9
窃視の多い映画。窃視大好き。そして処女厨映画。

チェコの女の子ほんま可愛い。水浴びしてるところとかもう性的な聖性じゃないですか。エッチすぎる。
映像はむちゃくちゃガーリーで甘くも毒のある世界観が滴っていて美しい。
音楽も劇的だったり教会音楽みたいだったり、ときどき可愛くポップになったりして楽しい。

大人はみんな体調悪いレベルで顔が白く、ヴァンパイアや悪魔的な存在に近いものとして描かれている。大人になることが死へとつながっていることを思わせる。女は若さへ執着する。
そしてみな性的なものを悪であると言いながらもその実エロスに溺れている……。

そんなふうに「禁忌に惹かれること」というモチーフが多用されていて、そのどれもが耽美的に描かれていてよい。
セックスにしてもそうだし、窃視はまさにそのものだし。牧師がロリコンレイプおじさんだったり、兄妹愛、同性愛なども描かれている。

ペスト大流行時代の映画ということもあるし、おそらくこの幻想怪奇な物語はペスト流行による悪魔狩りとかを下敷きにしているんだと思う。
ペストという存在がいっそう性交渉に対する忌避感を生じさせるものとして作用していて、宗教にあまり深い理解がない私が観てもなんだかドキドキしてしまう。

「ペストは救いだよ」
motoietchika

motoietchika