本作は第44回のアカデミー賞5部門受賞した1971年の作品「フレンチ・コネクション」です。
映像がなんとも生っぽいなと思ったら、元々ドキュメンタリー制作をしていた人が監督をしているんだね。いい意味でその持ち味が映像の中に閉じ込められていて面白い。
銃で打ったあとフランスパンをかじるとか、ドラッグの売人を捕まえる引きのシーンとか、大きな緑のドアから入ってく刑事とか、なんだかいちいち絵になるからニマニマしちゃう。このザラザラした感じも心臓の後ろの方がキュンってなって好き。
電車のシーンも印象的だ。近くにいるのに捕まえられなくて乗ったり降りたり、降りたり乗ったりしながら取り逃がしてしまう歯がゆさ。
これが噂の元祖カーチェイスなのか。電車の暴走もハラハラだし、ポパイ警部のボゴボコの赤い車。執拗なまで売人たちを追い詰める。物語りはたったそれだけなのに、なんだろうこの胸のドキドキ。