志麻凛

クロがいた夏の志麻凛のレビュー・感想・評価

クロがいた夏(1990年製作の映画)
4.0
名作 戦争のあり方を考えられる


【あらすじ】
伸子が拾ってきた黒猫
その名前を“クロ”と名付けた

しかし飼う前に
父親から仕事の支障になるからと飼うのはダメだと言われる。しかしあることがきっかけに父親は猫を飼う許可を与える

舞台背景として戦時中の日本
間もなく広島へ原爆が投下される日が近づいて来たが、主人公たちにそれを知るすべは無かった。しかし、伸子と弟でクロを可愛がる。餌としてフナ釣りもする。それほどクロという存在を愛していた

果たしてクロとの生活はどうなるのか?

【感想】
久しぶりに心打たれる作品を見たので、あらすじを書きました

2016年公開の「この世界の片隅に」よりも前に同じ広島原爆までの日々を扱った1作品。完成度が高くて言わゆる良作

音響も良い
例えば、お茶を飲むシーン
その時のお茶が口に運ばれるまでの描き方、そして音の出方が現実に寄せていて良かった。
後はBGM、BGMが内容を引き立ててました。一つ一つのBGMの使い方が上手
個人的にBGMの使い方が上手なアニメ作品の1つに入ります

そして戦時中のものだけではなく
ちょろっと環境問題についても描かれていてました

クロの餌のフナを釣るために使っていた川。しかしある時に軍隊用に埋め立てられてしまう。
それを見て、“勝つ”という欲に負けて自然を破壊してしまう。それは現代の日本、いや世界に通じるものがあり
欲を出し過ぎて森林伐採などをしてしまうと逆に環境に悪くなってしまい、自分たちへとデメリットを与えてしまう
今作はしっかりとは描かれていなかったが、それはかとなく描かれていました

約60分尺でしたが、その中で登場人物の心情が描かれていてとても面白くて学べることが沢山ありました
志麻凛

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