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ピーター・パンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ピーター・パン(1953年製作の映画)
3.6
何か初めてちゃんと観たかもしれない。
この作品の中ではフック船長の鉤爪の由縁は描かれてないのか。

そしてウェンディ。前から思ってたけどDisneyの昔の作品に出てくるヒロインは大人びてる。この作品もウェンディが子供が大人かの瀬戸際の作品で、そのウェンディが大人の階段を登るために最後の子供の大冒険として描かれている。だから、ウェンディが子供の無邪気さと世間の大人の常識の間にいる存在でどっちつかずの存在でとても歯痒く描かれている。

兄弟たちの限界を知らない子供としてのエネルギー溢れる突進力とリスクを顧みない子供ならではの躍動感をピーターパンはどんどん助長させ調子に乗る兄弟と、子供の魅力と夢見る力を武器にフックと渡り歩くピーターに憧れるウェンディのバランスの良さ。

フックも悪い奴だが、ネバーランドという優しい世界の住人として憎みきれない存在で海賊達も陽気。
よくよく観ればなぜかインディアンがネバーランドの一部に住んでいるが、これはアメリカの歴史に則していて、肌の色も“赤い”。今のご時世からするとなかなか際どい表現な気がするが、こういう色んな人が幸せに、ある程度の棲み分けの中で折り合いつけて生活してて、時に顔を合わせ一緒に生きてる世界がネバーランドとして存在するという当時のアメリカ国内の政治を表している気がして、どことなく夢みがちなだけでもない世界。

ティンカーベルがウェンディに嫉妬してる姿やそれでもピーターのことを思い、身を呈す献身的な姿は、そういうアメリカの当時の情勢の中で描かれていると思うとアレだが、シンプルに可愛い。
ホントに胸ポケットに入れて持ち歩きたい。
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