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サルトルとボーヴォワール 哲学と愛のkayupanのレビュー・感想・評価

5.0
サルトルとボーヴォワールの学生時代の出会いから、全体主義がフランスに影響する第二次世界大戦終戦頃まで、ボーヴォワールの視点で描かれる。自由契約なる一夫一婦制を拒否した恋愛を提示する、サルトルの軽薄な行動と着実に実績を積む実存哲学のヒーロー感。ボーヴォワールの清貧な家庭の出自から、伝統主義的な価値観に対する自由解放と強い女性への意志。人格的な愛情や同性愛を含む奔放な恋愛と嫉妬など、各々の恋愛を軸に描写される。分身でありひとつである、愛情を越えた不思議な絆をそれぞれの成功とともに映し出す。
基本フランス語で展開するが、戦後の世界のアメリカ化とその受容をジャズ、英語の介入で表現している。
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