みゅうちょび

フラッシュバックのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

フラッシュバック(2008年製作の映画)
3.1
音楽の使い方とかがとても良かったな〜。デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックに彩られた苦い思春期の思い出。
タイトルの通り一度は成功を手にしながらドラッグやセックスに溺れ仕事も来なくなったハリウッドスターのダニエル・クレイグ演じる主人公ジョーが自分の若気の至りをフラッシュバック(回想)して行く話。

海辺の田舎の家の風景がとても美しくて、そこで描かれる思春期真っ盛りな主人公の青春。愚かさゆえの初恋の失恋と親友との決別。自暴自棄からのとんだ失態。家族の汚点になることを恐れ家を飛び出した青年が大人になったのが本作の主人公。

自分の人生がうまく行かない時、過去に愚かな行為をした経験がある人なら、きっと分かる。主人公ジョーは、25年来会っていない親友の死を知らされ、過去を振り返ることになる。
今の自分、頑張ってきたはずなのにあの日の過ちが心の中にずっと消えないシミを残していて、そのシミがいつもどこかで自分の人生を操っている。苦境に立たされた時、過去のせいにしたくなる事もあるし、それを清算するときだと決心する時があるならそれはまだラッキーなのかもしれない。取り越し苦労って多々あるし。

主人公をスターの道へ向かわせたきっかけや、セックスやドラッグへ依存させたトラウマ、全てが過去にあるような描き方は映画としてはありがちだけれど、この作品はその見せ方がとても巧いと感じた。

ロキシー・ミュージックの曲に合わせて初恋の彼女と鏡の前でスターを気取ったダンスを踊るシーンとか、彼の心に残る最高の瞬間の思い出として観ている方も魅入ってしまう。

彼が街から逃げ出すきっかけとなる事件はなんとも痛ましいもので、その描き方も巧い。

フラッシュバックしたことで、主人公がどうするのかというところには幾つか疑問が残るので、これを観て手放しで良かったねと感じる人と、なにか不快な気分にる人といるだろうと思う。わたしは後者で、特にイーブリンのその後がなんとも後味が悪く、むしろ外国で幸せに暮らしてるとかいう方がまだ良かったなと感じてしまった。

全体的に、映像と音楽がとても良かったのと台詞の1つ1つも印象的で好きだった。

「子供の頃は、何かを自分のものにすることが偉いと思っていたし、そのためには常に前進する勇気が要ると思っていた。
でも、本当は、そこにじっと立っていることのほうが勇気が要るんだ。」

深い、、、、

序盤で、主人公が役を失うシーンで、彼のエージェントから、監督からなにか役をもらえるかもしれないと言われ、この脚本には自分の役はない!と言い放つけど、この映画でもダニエル・クレイグの出番は少ない。ほとんどが子供時代の話だしね(^。^)
ははは。

Amazonビデオではジャケが邦画のフラッシュバックメモリーズになっていた(⌒-⌒; )