゙仕事ばかりで遊ばないジャックの頭はヘンになる゙
冒頭のこのテロップといい、演出といい、とにかく『シャイニング』へのオマージュがスゴい。モノクロの映像に赤色だけがポイントカラーとして映し出されているのは『シンドラーのリスト』へのオマージュかな。それに加え銀残しのような画面、BGMの使い方など本作にはえも言われぬ独特な趣がある。
しかし話の内容は情緒不安定なある一家の様子を描いただけのもので、その上タブー視される近親相姦を匂わす描写もある。ともすれば悲痛で苦痛になりがちな内容を雰囲気のみで最後までゴリ押しするその姿勢に天晴れ!
ヨーロッパ映画らしいといえばそれまでだが、まあこういう無計画な感じが私は嫌いではない。話云々は置いといて頭からアート系として観ると意外と面白いかもしれない。