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ベル・オブ・ニューヨークのみおこしのレビュー・感想・評価

ベル・オブ・ニューヨーク(1952年製作の映画)
3.2
フレッド・アステアとヴェラ・エレンによるMGMミュージカル。アステア作品の中ではあまり評判が芳しくないという曰く付きの一本(笑)。個人的に大好きなミュージカル『リリー』の監督であるチャールズ・ウォルターズの作品だったので期待していたのですが...!

ここは20世紀初頭のニューヨーク。女性に目がないプレイボーイのチャールズは、ある日見かけた生真面目な娘アンジェラに恋をする。一念発起して彼女のために品行方正な男性に生まれ変わろうと試行錯誤するものの...。

ということで、あの紳士的なイメージのアステアがだらしのない色男を演じることが最大の違和感...!(笑)呑んだくれたり、女性に囲まれて鼻の下が伸びたりと、まるでアステアらしからぬシーンが続きます。
また、タイトルロールの「ベル・オブ・ニューヨーク」(ニューヨーク1の美人)というヴェラの設定も、アクティブでひょうきんな役が多い彼女のイメージと合っていない気がしてまたまた違和感...。

しかし、ミュージカルシーンはこれでもか!というくらい怒涛の展開で登場します。テンションが上がったチャールズが、なんと宙に浮き出して踊る'Seeings Believing'というナンバーまで(笑)。もちろん『ラ・ラ・ランド』でもそういう演出はありましたが、あれとは何だか雰囲気違うんだよなぁ...!なんか本当に急に浮くんだよなぁ...!(笑)
一番有名だと思われるのが、砂をまいて踊る'I Wanna Be a Dancin' Man'で、これはアステアお得意の元気なダンスが見られます。また、オススメは路面電車でヴェラと踊る'Oops'で、これまたフレッドらしいユニークな演出なのでお見逃しなく!

ラストはまるでファンタジー映画のような感覚になりますが(笑)とってもフレッシュな終わり方。
アステアファンなら観るべきちょっと変わった一本!
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