ピンクマン

ナポレオン・ダイナマイト/バス男のピンクマンのレビュー・感想・評価

4.2
マンガやアニメなどでは人間は綺麗なものとして描かれていることが多い。だがそんな人間は現実にはいない。みんな汚いことだってするし変なこともする。この映画では主人公のみならず、彼を取り巻く主要人物が皆そろいもそろって変なのに、妙にリアルで面白い。そんな変な登場人物たちの変な間とか友情とか展開とか、微妙な空気だけを上手く面白く切り取った脱力系学園コメディ。終始笑えてめちゃくちゃ面白いがしかしこの映画、ただのコメディ映画として終わらない。クライマックスのダンスシーンでは奇跡的な盛り上がりを見せる。「この程度でいいでしょう」と、少しお高くとまったサマーに対し(手話ダンスというダサい発表)ナポレオンはひたすら踊る。アダルトな振り付けのダンスをただただひたすらくねくね踊る。変な人間だからこそ持ちうる偏った情熱のエネルギーへの賛歌ともいうべきダンスに感動。ユルいコメディなのにラストは名作ヒューマンドラマ映画並みにアツい!秀逸な作品。
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