shibamike

ふしだらな女のshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

ふしだらな女(1927年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

特に感銘は受けなかった。

美人妻ラリータは画家クロードのモデルをしていたが、クロードから求愛されてしまう。これを夫に見つかってしまい、不倫だ!と騒がれて離婚。

今から見ると意味分からないけど、当時は離婚するのにあんなに人を集めて裁判しなくちゃならなかったのか。プライバシーもへったくれもない。ラリータはマスコミにボコボコにやられる。

南仏にやって来たラリータ。イケメンでいいとこのボンであるジョンと出会い、ジョンから猛烈なアプローチ。「あたい色々あった女だよ。」と過去をほのめかしこそするが、はっきりバツイチとは言えないラリータ。「僕は君を愛している。これ以外何が必要なんだい?」眩しい!眩し過ぎるぜ、ジョン!二人は結婚。しかし、第二の悲劇の始まりだった。

ジョンの実家(お屋敷)で生活を始める2人だが、姑ウィテカー夫人から早速イビられるラリータ。夫のジョンは優しいが、この家に居場所はない、と孤立していくラリータ。

結局バツイチということもばれてしまい、いよいよ家に居づらくなり、また離婚することに。ただし、前回の離婚裁判の時とラリータは変わる。彼女は世間の好奇の目には怯えず、堂々と振る舞うのであった。

この映画ではラリータが美人過ぎたために悲劇に巻き込まれたということではなく、冒頭に「美徳は報いを受ける。しかし安易な美徳は、誹謗・中傷という社会的な報いを受けるだろう。」とあるので、安易な美徳のために悲劇に巻き込まれたということだろう。安易な美徳って何?美徳をとりあえず「良い行い」と置き換える。安易な美徳は「軽率な良い行い」あたりか。

クロードからのキスを拒んだのは良い行いだろう。でも愛の言葉は拒んでなかった。ここら辺が安易なのかね。

ジョンからの求愛に応えたのはジョンにとっては良い行い。でもラリータは色々過去を隠していたので、これはジョンにとって良くなかった。

本当に元夫やクロードやジョンのことを想って行動していれば結果は変わっていただろう。よくわかんない!でも、サラとジョンが結婚するように薦めたのは本物の美徳っぽい。ということで今度こそラリータは報われる、ということに。

モガのファッションってどうしてもみんな同じに見える。帽子も貝殻みたいに深く顔を隠すし。昔の人や未来の人が今の人を見ても同じように「全員、一緒じゃん!」と思うとしたら、とても面白い。

ラリータの2度目の結婚は同情できない。ジョンがいくら情熱的だったとは言え、軽率っしょ。まぁ、そういう大胆な行動があるからこそ、映画のお話になるから、こういうケチの付け方は虚しい。

終盤の舞踏会、結構狭いスペースに大勢の人が集まって踊っているが、全然みんなぶつからない。随分器用なものである。

本作は1927年の映画。2018年現在と比べて、不倫に対しての考え方がべらぼうに違う。昔の人達は今の感覚を羨ましく思う気がする。今の人達は昔の人にあった何かを持っていないのだろうけど。
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