風の旅人

フレンチ・ランの風の旅人のネタバレレビュー・内容・結末

フレンチ・ラン(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

フランス革命記念日の前夜。
パリ市街地の広場で群衆から歓声が上がる。
その視線の先には階段をゆっくり下りてくる全裸の女性の姿があった。
群衆は女性に視線を奪われ、隙だらけ。
そこに男が現れ、スリを働く。
女性は男が仕掛けたミスディレクション(視線誘導)だった。

この冒頭のシーンが素晴らしい。
観客の物語への期待感を高め、かつ主要人物を鮮やかに登場させている。
彼ともう一人の主要人物であるアウトローCIAとのやり取りが笑える。
ぜひ続編を作ってもらいたい。

パリを舞台にしたフランスのCIAものと言えば、『96時間』『パリより愛をこめて』が思い出させる。
フランスのCIAものはハリウッドのような派手さはないが、地に足が着いたリアリティがあって好きだ。
ただこの邦題はいただけない。
物語内容を何も表していない。
原題の『Bastille day(フランス革命記念日)』の方がよかった。
作中の事件は「フランス革命記念日」をミスディレクション(視線誘導)に使ったものなのだから。
風の旅人

風の旅人