爆裂BOX

ロスト・ボイジーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ロスト・ボイジー(2001年製作の映画)
3.1
1972年にバミューダ海域で消息を絶った客船コロナ・クイーン号が突如姿を現す。この事故で両親を亡くした心霊研究家アーロンはテレビ局のダナたちと共に調査の為に船に乗り込むが…というストーリー。
バミューダトライアングルネタを扱った幽霊船ホラーです。日本ではVHSしか出てないですね。
30年前に姿を消した豪華客船が突如現れ、調査の為に乗り込んだ心霊研究家やテレビ局のスタッフたちが次々と怪現象に襲われ、次々と命を落としていくという定番の幽霊船物ですが、木馬が人が乗ってるように動き出し、撮影した映像見るとのっている少年の霊が映ったりといった恐怖演出は既視感はありますが、まずまずの出来ではないでしょうか。
心霊研究家アーロン役のジャド・ネルソンを始めとした出演陣の演技もまずまずだと思います。船の所有者役でランス・ヘンリクセンも出演しています。リーダー面であれこれ指示したりするけど、特に目立った活躍はしなかったかな。ただ、この手の作品のリーダー面して威張り散らすだけのキャラと違って結構皆に協力的でしたね。最後は呆気なかったですけど。作業員役で「スーパーナチュラル」の悪魔クラウリー役のマーク・シェパードも出演しています。ヒロインは美人だけどトウのたった女性で、死人出て「撤退しよう」という意見に取材が終わってないと反論したりしますが、それ以外はトラウマ持ち以外目立った特徴無いかな。一緒に乗る後輩アナは若くて美人だけどプロデューサーに取り入って取材に同行したり、ヒロインを降板させる画策したり、一人で行動するのを止めようとしたカメラマンにスタンガン喰らわせたりと中々クセ強い性格。
トラウマなどの内面に起因する幻覚見せて恐怖煽ったり、バミューダトライアングルが異次元への入り口に通じていて、向こう側の世界に行った船が邪悪な力をため込んで帰ってきた…という展開は「イベント・ホライズン」と似てますね。
終盤、開いた向こう側の入り口から現れた霊体たちが船の周りを飛び回る様がCGで描かれる光景はちょっとファンタジックさを感じさせました。霊体に身体を突き抜けられた人間が泡吹いたり、その後精気吸い取られたり、襲われて精気吸い取られた人間が粉々の灰のようになる描写はちょっと面白かった。船体が向こう側へ入っていくにつれて船内の壁などが変わっていくのも面白い。
結局コロナ・クイーン号が現世へ戻ってきた理由は分からないままだったな。最初の影の正体や録音に入っていたメッセージは良かったけど、父親との絡みもっと増やしといた方がもっと効果的だった気がします。ダナは割と犠牲者出したのによく出世で来たな。
手堅く作られたTVMですが、同じくバミューダネタと幽霊船扱った「バミューダ/呪われた財宝」よりは楽しめましたね。