ひば

運命の元カレのひばのレビュー・感想・評価

運命の元カレ(2011年製作の映画)
4.0
生涯経験平均数10.5人!?わ、わたし…多すぎ…!?おまけに20人以上と肉体関係を持った女性は結婚が難しい!?え、待ってわたし、えーっと、あーあいつと…誰だっけ、そうあいつと……やだ19人じゃない!!!!イヤ~~~~~絶対に幸せを手に入れる!!!!賢い選択と目標達成を死守~~~~!の翌日に20人目と関係を持ってしまい崖に追い込まれるスプラッシュストーリーです。これまだ前フリです。イケイケ極まりないのに、いやまだ希望はある!!その20人の中から結婚相手を選べばセーフセーフ!!いくぞオラ!!!!というアクセル全開スタートダッシュで向かいに住むクリスエヴァンスに協力を依頼という奇跡の連続体。なんだこれは。とはいえ元彼の現在を突き止めてほしいなんて言うもんだから、「ヘルペスなの?うわ……なるほど、愚行には加担しません…」と断られるというわりと価値観への段階は踏んでいる。わたし置いていかれてない!私たちの日常では性交渉という出来事とは少し距離を置きたがるものであるのでいきなり飛び級しない。といった感じでなんとまぁ意外にも大分面白い上に対人間とのコミュニケーション差異、理想の自分などという奇跡のパワーバランスで突っ走りもう誰にも止められない。でも私この映画好きよ。
別に何人と関係持ってもいいだろ勢夜な夜な誰かと寝まくるいつも裸のコリン(クリエヴァ)が協力してくれるんだけどこのお互い境遇は似ているが考え方は違うコンビ構造がすごくいい。同じ図面を別方向から見る視点がコリン。よく考えてほしいんだけど、本来何人と寝ようが別にいいことなんだよ。女は貞淑であるべきという誰が決めたのか知らんが古の謎ルールをさも常識のように語ったからみんな知らないんだよね。それが法の下にあるのなら、相手を尊重した行いであるなら性行為が好きなことは責められることじゃないし責めていいことじゃない。過剰に絡んでくる人間は行為自体に嫌悪感があるか、今まで自分に魅力がないから相手にされなかっただけの妬みでしょ。20人と寝たという数と無職は別に並ぶ言葉ではないよ。また妹の結婚準備が同時進行するんだけど、これは主人公アリーが望む人生のゴールを達成した人間からの視点が介入するので、結婚というものは恋愛結婚もあれば形だけの結婚、世間からの見映えのための結婚という様々な種類があった上で人生の目的地点とはなんぞやということを考えやすくなる。よくできてると思う。
親にとっては理想の子供ではないかもしれないが自分の幸せを選ぶ権利はあるし、『愛するということは自然体の自分でいること』故にコリンがこの一喜一憂ムーブメントに付き合ってくれるのは自然体の彼女が魅力的だからであって最後まで一緒に笑ってくれるという筋の通った爽快さ。コリンの前では裸足でペタペタ歩いてるアリーはかわいいし、営業スマイルは捨てて毎度階段上りながらべそべそ失敗報告するのも庇護欲わいてしまう。コリンもコリンでちょっとしたシーンだけど、彼女が趣味に勤しんでいる時に自分の理性を抑えきれずに邪魔してくる男じゃなくて、人形つくり?どうぞどうぞと自分はソファーにねっころがる人なんだもんすごくいいよね。わたしこの人がいい!自然体の自分を愛すことに自然体の自分を愛してくれる人という存在はけっこう重要だよね。肯定には吸収と発散のセットが必要なのだ。

そうそう元彼リスト、だいぶヤバいんでこれは某シネマティックユニバースのマルチバースと言っても過言ではない。どんな付き合いしたらこのリストになるんだ。
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