ペイン

レポマンのペインのレビュー・感想・評価

レポマン(1984年製作の映画)
4.7
ポン・ジュノも最高傑作と推すアレックス・コックス(『シド&ナンシー』)監督の長編デビュー作。

ゴダール『勝手にしやがれ』や、タランティーノ『パルプ・フィクション』的な洗練されたヒップホップ的脱構築映画というよりは、もうとにかくハチャメチャやって逸脱するパンクムービー。

音楽アルバムに例えるならば、セックス・ピストルズの方の『勝手にしやがれ』や、ストゥージズの『ロー・パワー』的な荒々しさと純度高き初期衝動とも言うべきか。良くも悪くも“一度きり”しか撮れないようなタイプの怪作。今観ると流石に…というようなユルさや粗はたしかにあるかもしれないが、主人公の青年オットー扮するレポマンの奮闘ぶりや、その辿り着く“場所”になんだか奮い立たされるものがある。元気が出る映画。

主演はあの『ブレックファスト・クラブ』出演1年前のエミリオ・エステベスで、2000年以降は映画監督としても活躍し、2年前に監督と主演を兼ねた『パブリック 奇跡の図書館』(未見🙇)は日本でも話題になった。
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