吉良

借りぐらしのアリエッティの吉良のネタバレレビュー・内容・結末

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

イメージしていた『ジブリ』とは違う。

この世界が何を伝えたかったのかとか、結局彼らはどこへ行くのかという事よりも、『遂に追われてしまった』という印象が残った。

今までのジブリは、自然と人との均衡や共存を謳っていると思っていた。
どちらも尊重しあい、生きる。

ポニョでそれが歪になり、アリエッティでは遂に弾き出されてしまった。
小さな人達は負け、生きる世界を奪われてしまった。

何で?と問われると分からないけど、アリエッティ達こそ人間なのではないかと思う。
道具を器用に使い、知恵を絞って懸命に生きる様がそう思わせたのかな。
かたや病気の大きな人は、現実味がない。
未知なるものへの憧れというか、畏れというか…
アリエッティが抱いていたのはそういう気持ちなのかなとも思った。

そのため、鑑賞後は追われたのは人間の方なのだという暗い気持ちになった。

だから面白くなかった、というわけじゃないんだけど、先の分からない不安と悲しい気持ちが、私のイメージする『ジブリ』にはないものだったので混乱した。
吉良

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