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借りぐらしのアリエッティのmatchypotterのレビュー・感想・評価

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)
3.5
床下に住む小人たち。
アリエッティがショウに姿を見られてからその生活が一変。借りぐらしができなくなるまでに、、、。

なかなかロマンがある物語。まさかそんなところに小人たちが住まいを構え、人の暮らしの中に溶け込み、日常の生活を人の暮らしの中の物を拝借して生活しているなんて。

あれ?あれどこいったっけ?
あれ?これ、もうなかったっけ?

そんな日常の結局は気にも留めない疑問はひょっとしたら小人たちが生活のために借りていったのかもしれないと思うと、もうそっとしておくか、と思いたくなる。

小人目線だと、家の隅々の普段別に目にも留めないそんな所がそんなことになってるのか、とか、今の機密性の高い集合住宅にはないだろうけど、少し古い家には小人にとっては広大な空間が広がっている。
人が生活を営むために必要な家の裏側の空間をとても器用に利用して生きているのかと思うと、正直間借りもいいとこだけど、それで共存できてるなら、彼女たちのささやかな生活が守られているならお安い御用だろう。

高畑監督作品。
何となく、穏便で、平和で、山場もそこまで大事でもない気もするけど、それが普段気にかけない小さなことや他愛もないことにファンタジーがあるということを教えてくれる。

我ら人間が大事だと思えないことも彼女たちにとっては死活問題なんだから、そりゃこっちが問題視しなくても当たり前か。
それが人間の傲りなのか、無関心になっているのか、鈍感になっているのか。こっちがもっともっと小さなことに気が付けば、別の何かも救われるかもしれない。

この作品、音楽も良い。何かこう人と自然とそれ以外の存在が絡み合う話にめちゃマッチしてて素晴らしい。

大竹しのぶも三浦友和も良い。神木くん、あなたもショウはこの声でしょ感がスゴい良いね。
で、樹木希林氏のあのばあさんがまた腹立つけど憎めない。

そして、アリエッティとショウのそれぞれのその後が気になるし、短い間でお互いを気遣えあえる仲になれて、お互いで変えがたい経験を経たあの2人の行く末を観たい。
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