真っ黒こげ太郎

悪魔の毒々プラトーンの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

悪魔の毒々プラトーン(1988年製作の映画)
4.5
”Troma” meets "Combat Action" Movie!!!

死して極楽、生きれば地獄。

全編ふざけてますが、ドンパチはしっかりしてます。




トロマヴィル航空を飛び立った旅客機がエンジントラブルで無人島に墜落!!!
生き残った乗客達はしょーもないコントを挟みながら、島を散策する事に。

だが、その島は世界中のテロリスト軍団が集まった地獄の島だったのだ!!!!
そこでは世界中から集まったテロリスト達が巨大テロに向けて着々と準備や訓練を行っていた。

一部の乗客がとっ捕まり、特殊部隊だと勘違いされ酷い目に遭わされる。
一部始終を目撃していた乗客グループは生き延びるために武器を奪い、反撃を開始する!!!




遭難した民間人が、凶悪テロリスト軍団と死闘を繰り広げる、おバカ・コマンド・アクション映画。
「悪魔の毒々モンスター」等の低予算おバカスプラッターホラーコメディ映画でお馴染みなトロマ・エンタテイメントが、当時流行っていたコマンド・アクション映画に挑戦した意欲(?)作。


80~90年代に流行りまくってたコマンドアクション映画ブームの中で生まれた本作ですが、DVD化どころか配信スルーすらされないコマンドアクションが数多くある中、こうしてDVD化されレンタルで見れる様になったのは流石トロマ産だけありますね。

まぁ、他の会社がホラーや西部劇ばかり再リリースする癖に、全くコマンドアクション映画の再配給をしない所為なんですけどね。
まぁ昔のホラー映画の再販売は嬉しいが、皆もっと昔のコマンドアクション映画を配給しようぜ!!!
特殊メイクのスプラッターが拝める昔のホラー映画のDVD化はまだ嬉しいけどさ、昔の西部劇のDVD化なんぞどうでもええわ!!!
(西部劇ファンの皆様はすみません、自分は「マグニフィセント・セブン」も楽しめなかったダメ野郎ですので、こんな駄文はスルーしてください…。)



…とまぁ自分の西部劇の苦手っぷりが露呈した所でレビューに戻ります(爆)が、今作はトロマ産のコンバット物という事で、全編悪ノリが大炸裂!!!
初っ端の墜落シーンから脱力モノのアナウンスから始まり、その後もオーバー気味な役者陣の下らねぇ掛け合いにあちこちに脱力モノのコントを交え、エロにグロに不謹慎なネタといったネタを挟んだりと、何処までもトロマチックなノリ。
(一応真面目に演技してる役者も居たり、後述するコマンドアクション物の基礎基本はしっかりしてるのだが。)


スプラッター度数は(あくまで他のトロマ映画に比べて)大人しめだが、拷問シーンで舌を抜いたり、エイズ感染者に犯させたり、気味の悪いフリークスが無残な死にざまで死んだりと相変わらず不謹慎なグロゲロテイストは満載。w
戦闘シーンでも撃たれた時の弾着は血みどろで、死傷者の数もやたら多い!!!


それでいてトロマらしく全編ふざけたノリなので戦争映画にありがちな重さも皆無。
前半の遭難者同士の掛け合いからしてふざけてるし、後半でも敵ボスを倒した事で「悪を倒すんだ!!やるぞー!!!」なノリになったり、決戦前夜にそれぞれのカップルでイチャついたりと、徹底してお気楽なノリだ。
(BGMやメインテーマもやたら陽気。w)
テロリストがバンバン弾をぶっ放しても弾が当たらないし、そもそも少数な一般ピーポーな主人公達が大量のテロ軍団を壊滅させちゃってる時点で完全に「ランボー」や「コマンドー」系のノリ。
もはや完全に「ドンパチを楽しめりゃええんやろ!」なトロマの娯楽精神を感じる。w
(余談だが本作はラストバトルで一瞬ニンジャが出てくる。本筋に全く関係ないが。w)


そんなこんなでトロマらしく不謹慎丸出しでふざけた作りではあるが、ドンパチ系のアクション物としてはそこそこにしっかりしてる。
低予算のトロマにしては割とお金が掛かってるらしく、やたら大量のエキストラを用いたド派手な銃撃戦に、火薬を活用した大爆発に体を張ったスタント等、コマンドアクション映画としては意外と真っ当な出来。

銃撃戦では派手に火花が飛ぶし、撃たれたり、爆発で吹っ飛んだり、高い所から落ちる等の派手なスタントは体を張って吹っ飛んでるし、火薬がド派手に爆発しテントや掘っ立て小屋がぶっ壊れる!!!
物見櫓の大爆発&スタントダイブや、船に車が突っ込んでの大爆発するカースタント等、ド派手な見せ場も抑えてある。
(若干爆発のタイミングが早かったり、カットを変えて使いまわしたりしてるけど。w)

情けない連中が戦いを得て戦士に覚醒する展開はおバカ&ご都合主義丸出しだけど悪くない。
クライマックスの大バトルでピンチの時に女性コマンド達が助けに来たり、仲間が散り逝く様は意外とグッと来たりします。
特に終始活躍していたオッサンの末路は切なかったり。
…こんなしょーもない映画でグッと来てる俺って…。w

それでいてラストの展開はやたら爽やかだし、裏切者をしっかり成敗する展開もスッキリする。
そして最後の最後で最高にふざけたオチが用意されていて、ほっこりしました。w



正直ご都合主義と突っ込み所満点だし、105分と尺が長めなので、人によってはダレるとは思う。
しかしテンポは悪くなく、全編悪ノリとバカと連続で意外と飽きずに楽しめた。

まぁ、小難しいことなど考えずに、トロマ絡みの娯楽作として見ればそれなりに楽しめるでしょう。w
トロマ・エンタテイメントの本気印のドンパチとおふざけバカエネルギーを是非全身で感じてください。