ManaTagei

クロイツェル・ソナタ 愛と官能の二重奏のManaTageiのレビュー・感想・評価

4.1
これまた変な邦題でかなり損している。
この主人公を、病気だとか今で言うストーカー体質だとか、さらにはモラハラだとか、いくらでもいいようはあるだろう。
ただ、彼はめちゃくちゃ彼女を愛していた。家族も愛していた。
すべてを彼の母親のせいにはしたくはないのだが、やはり彼は愛し方が下手だった。伝え方も下手だった。
だからこそ、いまの彼にはそれが明確に自ら話せるだけの自己嫌悪という言葉ですまないほどの感情があるのだろう。
全く違う狭い世界に生きていた二人が出会うことで、必ず悲劇が起こるとは限らない。
ただ、彼はきっとあまりの自責の念に追われすぎてもう息も絶え絶えな状態だったのだろう。
ものすごい一人語りだが、必ずしも彼の思うようには思い切れないわたしがいた。この映画を観た後にそれを必ずわたしはしませんと確約できる人がいるとは限らない。ある意味誰にでも起こりうること。セリフが素晴らしく哲学的だった。
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