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ワイルド・アット・ハートのucandoitのレビュー・感想・評価

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)
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1990年 デヴィッド・リンチ 脚本・監督

例によって難解です。
よって点数なしですが好きな映画。
「トゥルー・ロマンス」を思わせるバカップル逃亡ロード・ムービー(本作の方が先ですが)。

蛇皮ジャケットのプレスリー男でチンピラのセイラー(ニコラス・ケイジ)。歌声が良いです。

セックスマシーンの若い彼女ルーラ(マリッジ・ストーリーのローラ・ダーンさんが体当たり演技)。
「オズの魔法使い」のドロシーの様にイエロー・ブリック・ロードを通って夢の国を目指す。哲学的なボームの児童文学が身体に染み付いてないと理解できない映画かも。
メタルCDのジャケットの様な安っぽい雰囲気も良いです。



取り敢えずメモ(激しくネタバレなのでご注意)。

ルーラのサイコな母親で悪い魔女のマリエッタ(ダイアン・ラッド)は亭主にガソリンをかけ焼き殺させた。又過去にはルーラを犯した男を事故に見せかけ殺している。
ラッドはアカデミーの助演女優賞ノミネート。最後は「オズの魔法使い」の様に水に溶けてしまう。
ダイアン・ラッドがローラ・ダーンの実母とは知らなかった。驚きのキャスティングです。

夫殺害の実行犯が当時の情夫サントス(J.E.フリーマン)。なかなか存在感の有る演技です。

当時サントスの運転手だったセイラーを口封じのために殺そうとする。
また、一度はセイラーを誘惑して断られ自尊心を傷つけられていた。都合の悪い人間は消せば良いという人。

刺客を逆に殺害したセイラーは故殺で2年弱の刑期を終えルーラと旅立つ。歪んだ娘への愛情に狂うマリエッタは恋人の私立探偵ジョニー(ハリー・ディーン・スタントンはリンチ作品の常連と言って良いですね)を新たな刺客をとして送る。しかし更に新たな刺客サントスに依頼した事でカオスに。

妊娠、ヘドの匂い
繰り返されるタバコとマッチと火のイメージ
ボビー・ベル(ウィレム・デフォー)の口臭が匂ってきそうな歯並びと不気味さ。

心はワイルドで外は冷たい。
ラブ・ミー・テンダーを聴いて「虹の彼方」に行きたい。
20歳ルーラの黒いブラジャーと網タイツ。
顔の見えない黒いマニキュアの魔女。

ボビーの強盗は偶々居合わせた警官の登場でぐちゃぐちゃに。店員や警官を見境なく撃ち遂には撃たれた拍子に自分の顔を吹き飛ばすボビー。店員の手を犬がくわえる。
ボビーも刺客だった。不気味なラテンの家族のベルティータ(「ブルー・ベルベットのイザベラ・ロッセリーニは元スコセッシの妻でリンチの彼女だったのか。そしてイングリッド・バーグマンの娘)。
ミスター・レインディア。
銀貨。

強盗を手伝って刑務所へ逆戻りのセイラー。
ミントのネックレスを食べるルーラ。
迎えに来る母親と父殺しのサントス。
出所する頃には6歳になる子供(ペース)とセイラーを待つルーラ。

出所。アル中の母親を振り切りセイラーに会いに行くルーラ。
交通死亡事故二回目の遭遇。
駅、蛇皮のセイラーとの再会。息子と握手。
「ロープに吊るされ踊る前に早く旅立とう」と去るセイラー。自分で生きられるよ、ルーラ。自分が価値の無い人間だと思っているセイラー。

暴漢に殴られて横たわるセイラー。
いい魔女(ツィン・ピークスのローラ・パーマ役シェリル・リー)が現れローラは貴方を愛している。もしハートがワイルドなら夢のために闘って。愛に背を向けないで。
ルーラ!
交通事故渋滞、「ララ・ランド」のように屋根を伝って追いつく。
いい魔女に会ったよ。
車の屋根でラブ・ミー・テンダー。


イレイザー・ヘッドのジャック・ナンスが出ていたのか。
ジョージ・マクフライのクリスピン・クローヴァーも変人役で登場。
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