ガブXスカイウォーカー

バットマンのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

バットマン(1989年製作の映画)
4.0
1989年、約23年ぶりのバットマン実写化、しかも映画と言うことでどんな作品になるのか本作は世界中のバットマンファンの注目の的だった(当時の日本にそれほどバットマンファンはいなかったと思うけど)。ティム・バートン監督は『ピーウィーの大冒険』、『ビートル・ジュース』ですでにファンタジー映画の実績があったから期待大。でも主演のマイケル・キートンは『ビートル・ジュース』しか知らないので、あまりにブルース・ウェインのイメージからかけ離れていて不安のみであった。
が! 
ふたを開けてみると、意外や意外。マイケル・キートンとティム・バートン監督は独自に、奇人の(ふりをした?)ブルース・ウェインと狂気のバットマン像を創り出しているではないか。子供の頃に観たTVドラマ(『怪鳥人間バットマン』)やアニメ(『まんがバットマン』など)とはまるで異なっており、これがじつに素晴らしかった。それに宿敵ジョーカー役のジャック・ニコルソンははじけまくっているし、ヒロイン、ヴィッキー役のキム・ベイシンガーは実に美しい。キャスティングはバッチリだ。また舞台となるゴッサムシティも見事に実写映像化し、ティム・バートンならではのバットマンワールドを描き出している。傑作と言っていいだろう。
だが正直言うと、ちょっと地味で爽快感には少し欠ける。バットマンはアクションはなんかもたついていて、戦闘中に気を失ったりもする。バットモービルの走りはヨタヨタだし、バットウイングは一撃で落とされてしまう。バットマンの弱さを意図的に描いているのか、スーツが重くて動けないのかわからないけど、もっとスーパーヒーロー、バットマンのカッコいい大活躍を観たかった。
でももし本作を観て「次回作は観なくてもいいや」と思った方がいたら考え直してほしい。『バットマン・リターンズ』は本作の反省点は改善され、パワーアップしている大傑作だから。

俺のティム・バートンBEST5
1.バットマン・リターンズ(監督/製作・1992年)
2.ビートルジュース(監督・1988年)
3.バットマン(監督・1989年)
4.シザーハンズ(監督/製作/原案・1990年)
5.ピーウィーの大冒険(監督・1985年)