かのん

イノセンスのかのんのレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
4.5
【嘘でしょ、これ17年前の作品なの?!】
現在2021年、この作品がリリースされたのが2004年。17年の時がある訳ですが、いやー作画がまずはやばかったです。語彙力ないので表現ができませんが、とりあえず17年前の作品とは思えない、やばい。押尾守さんの作品初めて拝見しましたが、とんでもねぇお人だということは理解しました。

公開当時は難解すぎるということで話題に上がってて嫌煙してましたが、物語的にはそこまで複雑ではないです。暴走して人間を殺したロボット、その原因は何か?をひたすら追う、が物語の軸。物語を複雑化させているのは、1回見ただけでは読み取れない細かな背景の設定にあるのではと思いました。攻殻機動隊の続編?でもあるらしいのですが、攻殻機動隊を見たことがないので、そこは何とも。物語の設定を深く理解出来ないままに最後まで行ってしまい、「意味わからん」となってしまうのではないかと思いました。

主人公はもちろん、登場人物が魅力的でとても良かったです。特に相棒のトグサは、この物語の中では比較的ごく普通の人だと思うので、見る人の代弁者でもあるんじゃないかと思ったりしました。

あとは、名言のオンパレード。刺さる人にはずくずくと刺さる言葉が惜しみなく使われており、私はめちゃめちゃ刺さりました。

音楽もとても良いです。オルゴールは1回録音して、それを地下に持ってって流して、再録したものを使っているらしいのですが、雰囲気を構成するのに音楽が大きなウェイトを占めていると思いました。

もしかするともっと若い頃には「意味わからん」で終わっていた可能性もありますが、この齢になって、とても良い作品を見たなという気持ちになり、良かったです。また時間を置いて見たいと思います。
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