TaiRa

イノセンスのTaiRaのレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
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攻殻づいてるから久々に観直してしまった。何回も観てるけどあんま覚えられない。

押井が脚本書いたら押井の話にしかならない感じがヤバい。ネオ・ノワールとしてはビジュアルもムードもカッコいいし好きなんだけど、やっぱ最終的な価値観というか思想が余りにも押井過ぎる。愛する女が神に等しい存在になったら、男は人間である事自体にも生きる事にも意味を見い出せないのか。この映画で延々と提示される人間も人形も同じという話もある意味モダンな考えだけどね。電脳化した人間が引用だけで会話する光景も、現在のスマホ普及以降の時代に見れば割と普通になってる。全員が外部記憶装置を携帯してる時代において、本体はどっちなんだみたいな感覚は既にある訳だし。あとネット上にある思考のデータのみを見てそこに人間が存在すると知覚出来るのも現状当たり前だな。身体の有無を問わない。まぁ人間じゃない可能性もあるけど。士郎政宗や押井守の思考実験は概ね当たってんだろうけど、まぁ付いていくの精一杯だわ。魂のダビングされた人形の人権とオリジナルの人間を天秤にかけられても。ラストでトグサに抱かれる娘、娘が抱く人形、バトーが抱く犬がイノセンスな存在として同等に扱われるカットバックもヤバい。あのエンディングは『捜索者』のラストみたいな意味合いも含んでるだろうけど。子供を非人間的な存在と捉えるのは現代でも通用するのかな。
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