モクモクブッダ

イノセンスのモクモクブッダのレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
4.6
久々に見た。まず恥ずかしいのは10年以上前の僕はこれを見て押井守すげーと言っていたのだが、何を持ってすげーと言っていたのかだ。全く難しいじゃねぇかこのやろう!たぶん雰囲気で周りの仲間と一緒にわかった気になってすごいって言ってただけだな。

最近は自分のゴーストの存在を疑い始めている。記憶も曖昧だし、愛する人もいない。寝て働いてのルーティン。映画も読書も暇つぶしでしかなく、友達だって、たまたま同じ空間にいるから話しているだけ。思い出や感性を共感できて、自分は自分だと分からせてくれる存在がいないということがこんなにも虚しいと思うなんて、童の頃には思いもしなかった。

個人的に興味深く感じたのは、大人にとっての子供、子供にとっての人形のくだりです。
親になったことない自分が、甥っ子たちを可愛いと思う気持ちは、犬猫をかわいいと思う気持ちと何が違うのか。
そう考えること自体が不純で禁忌なことなのか。それとも、実際に親になってこれは自分のコピーだと感じればわかることなのか。

伴侶を大切に思い、子を愛することでしか魂は得られないのではないのか。

あぁ結局現在も何も答えのないまま見終わってしまった。