8bit

カリフォルニア・トレジャーの8bitのレビュー・感想・評価

5.0
これ。
ブックオフで投げ売りされてたり、TSUTAYAやGEOの隅っこでホコリかぶってる映画なんですけど、全力で推したいやつ。

安っぽいジャケがやる気なさ過ぎで、全く視聴意欲というものが湧いてこない。
でもね。観れば絶対に好きになってくれる人はいると思うんですよ。
ジャケはトレジャーハンティングな冒険映画みたいな感じですが、そんな壮大なやつじゃないです。およそ半径5キロメートル圏内で展開するこぢんまりとした宝探し。

精神病院に入院していた元ジャズミュージシャンの父親が持ってきた、どう考えても与太話にしか聞こえない宝探しを通して、親子の再生を茶目っ気たっぷりに描いた愛すべき作品。
飄々とした父親マイケル・ダグラスの突飛な行動と、それに振り回されつつ協力してあげる娘エヴァン・レイチェル・ウッドの掛け合いが本当に素敵で。
なんかね。観ていて幸せな気持ちになってくるんですよ。

宝探しといっても、古代遺跡とか洞窟とかに行ったりするわけじゃない。
なんと近所のコストコの真下に埋まっているという。
だからまず買い物客のふりをして掘削する場所を特定したり、娘がコストコでバイトをはじめて、店長の持っているマスターキーを盗もうとする。
この準備段階からいざ決行までの紆余曲折が本当に面白いです。
プロデューサーをつとめているのがアレクサンダー・ペインなのでユルくてオフビートなヒューマンコメディ風味。なにげに演出もお洒落だったりして。
ところどころに何気ない伏線があってラストにそれがきいてくる展開もお約束ながらホロリさせられました。

もう年に数回は観ちゃうお気に入り映画なのです。
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