スズランテープ

ヒッチコックのゆすりのスズランテープのレビュー・感想・評価

ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)
3.0
ヒッチコック初のトーキーということで彼の作家性の源流が垣間見れる面白い作品。男女の甘ったるい関係から唐突にサスペンスが展開していく様はいつものヒッチコックぽい。

シンプルでスッキリとしたストーリーだが、一つの事件が起こり、その関係者やそれを利用する人物の関係性や優位性が変化していく展開力もしっかり備わっている。

ヒッチコックぽい演出も要所要所で見られる。特に階段の見せ方が好み。クライマックスの逃亡シークエンスも視覚的に贅沢なものでよかった。

ただ初期作ということもあって私の好きな断崖ほどパンチは感じられなかった。集中力が途切れた場面も何個かありだいぶヒッチコック玄人向けかもしれない。
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