垂直落下式サミング

北京原人 Who are you?の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

北京原人 Who are you?(1997年製作の映画)
3.5
日本のエンターテイメントが生んだ魔物。
原人の化石からDNAを取り出し培養することでクローン原人を創りだすのですが、何故いきなり上手い具合にタカシ、ハナコ、ケンジの家族三人を作れたのか?まあ、ここは目をつぶるとしても、その後の展開がメチャクチャで、丹波哲郎が熱弁すればするほど口から渇いた笑いがもれてしまう。
感動的に描こうとしたであろうラストまで、観客そっちのけで突き進んでゆくのだが、許容を遥かに越えたハチャメチャが画面から押し寄せてきやがるってのに、真面目にみろってのが無理なハナシだ。
このくらいパンチの効いた作品をガンガン映画化してほしい。そうすることで、逆説的に普段みているものの有り難みに気付く。本当にありがとう。

昨日、古書即売会で、この偉大なる作品のパンフレットを手に入れることができた。帰ってページを開いてみると、使用済みの半券が挟まっていてラッキー。この前売り券を使って映画を鑑賞しパンフレットまで購入したのはどんな人なんだろう。ペアチケットということはカップルか?親子か?何にしても稀有な劇場体験だっただろう。
パンフレット事態は映画館のお土産品としての完成度が妙に高くなかなか優れた読み物で、映画の内容を反映し進化論を図解したものが見開きになっており、これを読み返すことでより深く作品の感動を思い出せるような作りになっている。
たまごっちとのコラボ商品が発売されていたこととか、「北京原人&マンモスの作り方」と銘打たれたページの神をも恐れぬ狂気とか、海外ロケ特に意味なかったよねとか、原人こんなにスタイルよかったのかとか、この子役が後にアイドル声優と浮き名を馳せるエンタメデュエリストになるのかとか、終始驚きの連続だった。