PANDADA

北京原人 Who are you?のPANDADAのレビュー・感想・評価

北京原人 Who are you?(1997年製作の映画)
1.0
えーっと、多分これはコメディ映画です(笑)。

クローンやらなんやらSFっぽい事してますが、
お笑いレベルの科学考証のため、
笑えないギャグ映画にしかなってません。

ものすっごいお金かけて、スペースシャトルの中の撮影とかしてますが、
DNAからクローン作るのにわざわざ宇宙空間の無重力で行う意味がわかりません(笑)。

一応今までのスペースシャトルの実験では「魚類や両生類は可能だが、微少重力の宇宙空間でほ乳類が正常に繁殖するのは困難だ」という結論が出ています。
なのになんでわざわざ宇宙で(笑)?

で、出来上がったクローンはいきなり成体込みの家族三人。
さっきまで試験管内だったのに、
ベビーシャトルの墜落直後はすでに完成体。

どんだけ科学オンチな人が脚本書いたのでしょう。

と思ったら監督は佐藤純彌。
ベテラン監督ですが、
この人は「敦煌(1988年公開)」の時もそうですが、
細かい考証を一切無視してトンデモナイ作品を勢いだけで作ったりします。
本作はその代表的な失敗作ですね。

SF作品のキモとなるべき科学的考証がブッ壊れているため、
その後のストーリー展開もぐちゃぐちゃ。

最終的には小型セスナ機で無給油でモンゴル近くまで飛んでます。
普通ならその前に燃料切れて墜落ですけど、制作側にとってはそんなリアリティは要らないんでしょうね。

丹波哲郎、ジョイ・ウォン、佐藤蛾次郎、引田天功らを始めとする超豪華キャストを勢ぞろいさせて、勢いだけで突っ走ったストーリーの末には、シラケと呆れを通り越したある種の感動があります。

「俺、こんな映画を2時間もかけてみたんだー!」というまるっきりムダな達成感です。

20年くらい前の作品ですが、こんな駄作に空前絶後の大金をかけられるくらい昔の日本は景気良かったのかも知れないというのが感想。

どうしても時間が余っていて、
その時間を全く得る物のないムダな苦行に費やしたい!というマゾヒティックな方にしかお勧めできない駄作。
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