茶一郎

テナント/恐怖を借りた男の茶一郎のレビュー・感想・評価

テナント/恐怖を借りた男(1976年製作の映画)
3.9
『住めば都までの恐怖』

誰にでもある新天地に行ったときの自分の居場所がフワフワしている感覚の怖さが切に伝わる。
ロマン・ポランスキーの「反撥」「ローズマリーの赤ちゃん」から続くアパートメント三部作の三作目。

 監督ロマン・ポランスキーといえばその半生はドキュメンタリーになるほど壮絶なもので、ドイツ、アウシュビッツ、ポーランド、アメリカ…と本人の意思に反してその居場所から追い出される恐怖。
トイレをしている時でさえ誰かに見張られているような感覚。自分の本当の居場所がない感覚。
主役を演じているのがロマン・ポランスキー本人ということもあり作家の個人的な恐怖だが、確かに普遍的にもなる恐怖が描かれる。

 主人公の気の弱い風貌が最高。この男が成り行きのデートで「燃えよドラゴン」を女性とみている何とも言えない気持ち悪さ。