トランスマスター

マルコムXのトランスマスターのレビュー・感想・評価

マルコムX(1992年製作の映画)
4.0
♯36 「アッサラームアレイコム」

アフロ・アメリカン系ギャングスタ(ハスラー)が髪をブリーチアウトして白人の女と付き合っていたが、常習窃盗にて逮捕。窃盗獄中で知り合ったムスリムとの出会いをきっかけにプロテスタントから改宗してネイションオブイスラムの構成員として頭角を表していくお話です。

◆良い点/注目ポイント
・母親の生い立ちやKKKの暗躍など当時の闇を上手く映像化しています。
・スパイク・リー監督の映画はとにかく演説のシーンが圧巻。物凄い扇動力です。
・あの時代背景ならばアフロ・アメリカンにとってイスラム教は理想の宗教。預言者ムハンマドでさえも聖人として崇拝せず、神以外の人は全て平等でなおかつユダヤ教、キリスト教と同じ一神教というところも改宗のハードルが低いところです。
・デンゼルワシントンの役作りもデニーロレベルでした。
・強大な教団の上層部の腐敗はNOIを使って映像化していますが近世のカソリックに対しても遠回しに表現しているかも知れません。
・ギザの3大ビミッドとスフィンクスにサウジのメッカ巡礼のついでにエジプトに観光で寄っちゃうところがチャッカリポイント。メッカ巡礼の人口密度は凄かったです。映像で見れるのはとても貴重な体験です。モスクは神社のように気軽に異教徒でも入れますが、流石に巡礼は体験できなそうです。

◆改善点
・なし。

◆総括
・『ブラック・クランズマン』が好きな人向けです。残酷な暴力描写や性描写もない為。【ステイホーム】のお茶の間で観ても大丈夫です。

-2020年 36本目-