くるみ

不貞の女のくるみのレビュー・感想・評価

不貞の女(1968年製作の映画)
4.8
古典的かつシンプルなストーリーに、シャブロルの職人的演出が加わった見応えのあるサスペンス。一見円満なブルジョワ一家の主人が妻の浮気を疑うようになる所から始まるのだけど、謎や事件に迫るものではなく、シャブロル独特のねちっこい目線で人物の心理を描く事に比重を置いているのが特徴。
夫婦互いに疑惑と秘密を持ちながら、問い詰める事も出来ず腹を探り合うぴりぴり…からの流れとエンディングがスゴイ。説明的シーンが少ない分、観るたびに小物やセリフをヒントに背景を深掘れるし本当に面白くてお気に入り。
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