rage30

みんな元気のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

みんな元気(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

疎遠になった子供達に会いにいく、父親の話。

主人公フランクを演じるのは、ロバート・デ・ニーロ。
彼にしては珍しい柔和な性格の役柄で、感情移入し易かったですね。
あの年代なら頑固親父になってもおかしくないのに、わざわざ子供に会いに行くのは愛情を感じましたし、電線を保護するビニールを作るのが仕事だった様に、子供達との繋がりを守りたかったのでしょう。

しかし、そんな父親の想いとは裏腹に、子供達は素っ気ない対応を取ります。
子供達にも、それぞれ生活があるとはいえ、妻を失った父親に対して冷たくないか?と思ったし、いつまでも親がいると思っている事にもイライラさせられました。

そんな感じで、父親側に肩入れしながら見ていたのですが、後半にそれが一気にひっくり返るんですよね。
子供達はそれぞれに秘密を抱えていて、父親もその事を薄っすらと感じていたと。

子供達が派手な職業ばかりで引っ掛かってはいたのですが、おそらくは父親から成功を求められるプレッシャーを相当に受けていたのでしょう。
そもそも、プレイベートな事を全く伝えないという事は、親子間に厚い壁があったわけで、所謂、家父長的な父親だった事が窺えます。
そして、その最大の犠牲者がデイヴィッドだったのかもしれません。

最終的には、家族と和解してパーティーも開けた様で、彼なりに反省して変われる事が出来たという事でしょうか。
親子関係が疎遠になる事は、よくある事だと思いますが、その原因が「子供側にあるのか?」それとも「親側にあるのか?」と考えさせられる映画でした。
もしも今、親子関係に問題を抱えている…特に親側の人ならば、本作からヒントを得て欲しいなと思います。
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