ほーりー

風と共に散るのほーりーのレビュー・感想・評価

風と共に散る(1956年製作の映画)
3.9
「風と共に去りぬ」と来たら、お次はもうこれしかないですね、「風と共に散る」!
そんな映画知らないよ!って沢山のツッコミが来そうですが(´∀`;)。

ナチスドイツからハリウッドへ亡命し、1950年代にはメロドラマの名手として活躍したダグラス・サーク監督の代表作の一つである本作は、ある石油会社の御曹司をめぐる男女たちの複雑な人間関係を描いたメロドラマである。

オープニング、木枯らし吹きすさぶ中、猛スピードで石油採掘地帯を走り抜ける1台の高級車の姿が映し出される。

やがて大きな屋敷の前に停車すると、傷だらけの顔の男(ロバート・スタック)が降りて、片手に持っていた酒のボトルを壁に投げつける。

邸宅の中には物音に気付いて不安そうに窓の外を見る若者(ロック・ハドソン)とベッドで寝込んでいる女(ローレン・バコール)の姿。

やがて邸内で銃声が鳴り響き、撃たれた男が玄関で倒れこむ…。

もうこのオープニングだけでもぐいぐい引き込まれる。どうしてこんな状況になったのか? 部屋の日めくりカレンダーが風で吹かれて、カレンダーの日付がドンドンさかのぼる、そして事件の約1年前の出来事が語られる…という構成になっている。

主役はロック・ハドソンとローレン・バコールなのだが、石油会社の御曹司を演じたロバート・スタックとその妹ドロシー・マローンの方が印象深い。兄はアル中で妹はアバズレというトンデモナイ兄妹で、だけど実際は孤独に苛まれている可哀想な人物を二人は演じている。

本作の演技が評価され、スタックがアカデミー助演男優賞候補、マローンはアカデミー助演女優賞を見事獲得している。
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